略歴・解説
北海道余市町で海運業を営む井上林治の息子。宮川の資産家猪股万作の娘と結婚。豪放快活、先見性にとむ。明治36年巨財を投じ、養蚕・製網の勧業所設立。桑の植栽を勧めるが塩害で失敗し、建物を刈羽郡立農業学校(現柏崎総合高等学校)に寄付する。郡立女学校(現柏崎常盤高等学校)の創立にあたり、反対する郡議員や選挙民を説得し初志を貫徹する。明治38年高浜尋常高等小学校の設立を計画するが、不景気を理由に住民は反対。そのため私財2千円を3年間無利子で提供し、世論を喚起する。同36年宮川の役場内に雷道文庫を設ける。明治38年柏崎町に雷道文庫寄付の申し入れがあり、これを基に私立柏崎図書館が創設される。大正3年、郡会は図書館の郡立をきめ、同年「刈羽郡立図書館」(現柏崎市立図書館)が誕生する。県下育英事業の功績が認められ県から表彰を受ける。