略歴・解説
長鳥尋常小学校卒業後、農業を手伝い独学で教員検定試験に合格。県下の小学校、柏崎中学校、新発田中学校、北越商業学校などで教鞭をとる。県民俗学会創始者小林存が昭和9年「高志路の会」を発足させ、翌年郷土研究誌『高志路』を創刊すると、多数の論文や報告を寄稿した。昭和20年前後には刈羽郡北条長鳥地区の農村民俗を自らの生活体験を基に発表した。唯一の著作は『蒲原の民俗』である。この調査研究は足で調べた蒲原平野の湿地帯の農民生活の記録で、深田に腰までつかる劣悪条件下での赤裸々な姿を書き残した貴重な資料で、学問的価値が認められている。