略歴・解説
文人肌の父朔司の三男。子供の頃父は不明となる。母は貧しさに耐え7人の子を育てる。柏崎中学、旧制第一高等学校を終え、東京帝国大学仏文科在学中、左翼運動に巻き込まれ3年で中退。兄が弁護士を開業している高田へ移り地元や東京で転々と働き中野重治、椎名麟三と交わる。昭和15年結婚。やがて中千島へ出征、昭和21年復員。労働・農民運動にかかわりあい、高田で書籍店を開業する。たまたま「良寛」の思想に巡り会い、高田の図書館で童話を語る喜びの中で、良寛の生き方に魅せられ、良寛を追求することによって自分自身を追求し、自ら救済ができたのである。『良寛游戯』、『良寛』など20冊以上の良寛研究書などを出し「北川良寛」と呼ばれる。