略歴・解説
漆塗師常作の長男で、本名金兵衛、通称金平、漆芸家。14歳で上京し、その道の奥田岩次郎へ入門。技法研究5年、この間宮内省御用達などの高級漆器の製作に学ぶところが大きかった。帰郷し家業発展に努力。東京の大問屋に販売を依存する一方、県内に製品を売出す。実弟古月の蒔絵技術を取り入れ、柏崎独得の「金磨塗」を考案。大正年間成果が実り各種大会で、多数の作品が入賞。明治31年郡内漆器業者23名は金平方に漆工同盟会の事務所を置く。大正2年37歳、柏崎漆器木地講習所(工場)を設置。会津より旋盤技師を招き、5倍の生産を上げる。敗戦後の昭和24年、時代の波に老舗も遂に消えた。