略歴・解説
医者訓之の三男。昭和10年東京帝国大学機械工学科卒業後、東京大学航空研究所に勤め、未開分野「潤滑」(機械など摩擦部分の高熱や焼きつけをできるだけ防ぐ)の研究で昭和24年博士号を取得し教授となる。同43年同所の所長に就任。4年後退官し、名誉教授、理化学研究所摩擦工学研究主任、理事、顧問となる。稀な学者肌で徹底した探究心は評価が高く、平成8年『曽田範宗博士論文集』が発刊されたが、137編中62編は主に大学退官後の理化学研究所での発表で、車、列車、航空機、製鉄などの分野に技術革新をもたらす。潤滑、機械、航空宇宙の各学会会長、文化功労者表彰、日本初の英国機械学会より摩擦・潤滑分野の国際賞であるトライボロジー金メダルなどを受賞する。