略歴・解説
日本石油東京支店に勤める父勇治郎の息子。柏崎中学校、早稲田大学文学部フランス文学科を昭和3年卒業。翻訳と研究にあけくれたが、昭和12年早稲田大学高等学院、後に同大学に勤める。同16年最初の『羅日辞典』(ルーマニア語日本辞典)の編纂でシュバリエ勲章を授与される。50歳前後は翻訳が盛んで、アナトール・フランス『楽屋裏の話』、『神々は渇く』、アンドレ・ジイド『コンゴ紀行』、『一粒の麦もし死なずば』など多数。今までの作品を自選され『フランス文学に沿うて』と題し昭和62年に出版。『芥川龍之介とアナトール・フランス』、『芥川龍之介と赤い卵』は龍之介とフランスを明晰な文章で比較分析した好論である。