photo: Taegsu Jeon, courtesy of the artist, and Lehmann Maupin Gallery, New York and Hong Kong
家の中の家ー1/11スケールー原型
| 作家名(日) | ソ・ドホ |
|---|---|
| 作家名(英) | SUH Do Ho |
| 制作年 | 2009 |
| 素材・技法 | 感光性樹脂 / ステレオリトグラフィ |
| サイズ | H183.6 × W178.1 × D236cm |
| 著作権表示 | © Do Ho Suh |
| 収蔵年 | 2013(作品購入年月日:2013/05/27) |
| 受入方法 | 購入 |
| 解説 | 1962年ソウル(韓国)生まれ。 ソウルで東洋絵画を学んだ後、1991年に渡米しロードアイランド・スクール・オブ・デザインとイェー ル大学で学ぶ。1999年に構想された、かつて暮らした家やスタジオを半透明な布で再現した一連の作品 には、移動を繰り返してきた自身の経験が反映されている。持ち運びできるこれらの家は文化的な垣根を越え、固定せず持ち運ばれるような空間の概念化を示唆している。 《階段》は、ソ・ドホがニューヨークで暮らしていたスタジオと上層の部屋をつなぐ階段を、ナイロンの布で原寸大に再現したインスタレーションである。これは、置かれる場所の条件によって変容する空間である「ファブリック・アーキテクチャー」シリーズのひとつで、折り畳んでスーツケースに入れて持ち運び、行く先々で組み立てることができる。ソはこのシリーズを通して、公的な領域と私的な領域の定義を模索し、記憶の透過性に形を与えている。これらの形は、その運搬可能性において、生存のメカニズムともいえる。《家の中の家―1/11スケール―原型》は、ソが人格形成期である幼少期を家族と過ごした韓屋(ハノク)と呼ばれる韓国の伝統家屋と、渡米後初めて住んだ異国の家であるアメリカのタウンハウスを合体させ、樹脂を積層し三次元モデルを作り上げるステレオリトグラフィという特殊技術を用いて、11分の1の大きさで再現した作品である。アメリカの家の中にすっぽりと納まる韓国の家は、過去の自分と自分を取り巻く世界、そしてその変容の過程を表している。きわめて個人的でありながら、普遍的なテーマ性を持つソの芸術は、帰属の意味や家という概念―基本的でありながらも多くの人々が失っているもの―に疑問を投げかけている。 |
