photo: WATANABE Osamu

反転しながら増殖する形態-0811

作家名(日)中島晴美
作家名(英)NAKASHIMA Harumi
制作年2008
素材・技法磁器
サイズH69 × W67 × D39cm
著作権表示© NAKASHIMA Harumi
収蔵年2011
受入方法購入
解説1950年岐阜県(日本)生まれ、同地在住。

大阪芸術大学在学中に八木一夫らの走泥社と出会い、オブジェ制作を始める。大学卒業後、信楽の製陶会社勤務を経て、多治見市陶磁器意匠研究所に勤務した後、2003年より愛知教育大学で後進の指導にあたる。制作過程で見せる土の様々な表情、焼物独特の質感、土が陶へと変化するプロセスを自らの制作の原点として、水玉の球体が増殖する独創的なフォルムの作品を作り出す。

本作は、2007年から始まった「反転しながら増殖する形態」シリーズの1点である。中島の作品は硬質な焼物でありながら、そのフォルムは自己増殖しながら成長する生命体を思わせる。エスキースに合わせて形作るのではなく、土の性質に合わせて少しずつ手捻りで土を足して自己の内なるイメージを捻り出すという作業が、土が生えてくるような造形を可能にする。制作を始めた当初は陶土に白化粧していたが、2001年頃から磁土を用いるようになる。へたりやすい磁土でのオブジェ制作は、前シリーズである「苦闘する形態」の名前そのままに素材との苦闘となったが、より透明感のある白い肌と薄く立ったエッジによって作品全体に緊張感が漲っている。その姿は、内に不条理を抱えながら、倒れまいと必死にバランスを取ろうと苦闘する人類のようでもある。

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