photo: Keizo KIOKU
緩慢な消滅について、または現実世界のほんの小さな裂け目
| 作家名(日) | ライアン・ガンダー |
|---|---|
| 作家名(英) | Ryan GANDER |
| 制作年 | 2018 |
| 素材・技法 | フリップドットパネル、 粉体塗装アルミニウムトレイフレーム、出力紙 |
| サイズ | H100.4 × W86.1 × D7.6cm |
| 著作権表示 | © Ryan GANDER Courtesy of TARO NASU |
| 収蔵年 | 2023(作品購入年月日:2023/03/07) |
| 受入方法 | 購入 |
| 解説 | 1976 年チェスター(英国)生まれ。 日常生活で気に留めることのない当たり前の物事に注目し、分析や知的好奇心に満ちあふれた「物語」の 中で様々な問いを鑑賞者に投げかける。 《緩慢な消滅について、または現実世界のほんの小さな裂け目》は、黒と金のフリップドット・ディスプレイが、まるで雨が降るように反転し続ける作品である。緩慢な速度で動くフリップドットは、作家によれば涙の流れ落ちる速度を参照しており、鑑賞者に「時間」と「作品を見ること」の2つのことを意識させる。 フリップドット・ディスプレイの横には、作家が書いたテキスト「崩壊についての不完全な百科事典」の一節が添えられている。これは「loose association(緩やかなつながり)」として彼がよく使う表現方法であり、テキストと作品は互いに緩やかに影響し合うこと で、鑑賞者の想像力を刺激する。《あなたをどこかに連れて行ってくれる機械》は、地球上の任意地点の緯度と経度を壁に埋め込まれた発券機からプリントす る作品である。偶然の結びつきにもかかわらず、そこはどのような場所で、どうしたら辿り着けるのか、あるいはすでに知っている場所か全く未知の場所かなどの思索が、数値が示す場所につながる扉として鑑賞者の前に瞬時に開かれる。与えられた座標によって想像次第で自由な旅が可能であることの示唆は、パンデミックによって移動が制限された時代への応答とも捉えられる。 |
