photo:KIOKU Keizo
4つの黄色い縦のコンポジション
| 作家名(日) | マーク・マンダース |
|---|---|
| 作家名(英) | Mark MANDERS |
| 制作年 | 2017-2019 |
| 素材・技法 | 彩色されたブロンズ、木、鉄 |
| サイズ | H266 × W391 × D419cm |
| 著作権表示 | ©︎Mark MANDERS |
| 収蔵年 | 2023(作品購入年月日:2023/03/07) |
| 受入方法 | 購入 |
| 解説 | 1968年フォルケル(オランダ)生まれ。 1992年アーネム市芸術大学デザイン学科卒業。1986年に自ら作り出した「建物としての自画像」というコンセプトに基づき、ドローイング、彫刻、インスタレーションの方式で様々な音、色、リズム、韻、解釈を取り入れた作品を発表してきた。ブロンズ彫刻の伝統に則ったマンダースの彫刻作品は、物理的には堅牢な「モノ」である一方で、故意に作られた亀裂や未完部分が視覚的に脆さや危うさを生み出している。現実と虚構、過去と現在、表現と抽象の境界を曖昧にする、豊かで複雑な視覚言語を創造する。 《4つの黄色い縦のコンポジション》は、人物の顔に4つの黄色い木片が垂直に差し込まれた印象的な彫刻作品で、ひび割れた粘土のように見えるが、実際は鋳造された青銅に着色を施している。顔面への黄色い木片の介入は、本体の物質的な量塊に比べて僅かなボリュームでありながら、全体の基礎の確かさを脅かすほどの力強さがある。タイトルに含まれた「コンポジション」や作品の「黄色」と「縦線」の要素は、直角に交差する線の形態を用いて純粋な抽象を目指したピ エト・モンドリアンの影響を想起させる。また、首の角度はイタリア・ルネサンス期の画家ピエロ・デラ・ フランチェスカの絵画に現れる女人の首を模すなど、 美術史上の参照点が相互に関連し合う瞬間を独自に創造している。本作は彫刻特有の容積と空間とが織りなす律動にも注意が払われている大作であり、自身のポートレートを通して人間存在についての不確かさや言語化への挑戦という普遍的なテーマを扱う。作品に意図的に残された曖昧さは、作品に存在する未解決の物語や緊張へと鑑賞者を誘い、人間の経験の複雑さを熟考するように促している。 |
