ブリリアント・ブルー

作家名(日)ピナリー・サンピタク
作家名(英)Pinaree SANPITAK
制作年2008
素材・技法アクリル / カンヴァス
サイズH198 × W250cm
著作権表示© Pinaree SANPITAK
収蔵年2022(作品購入年月日:2022/03/10)
受入方法購入
解説1961年バンコク(タイ)生まれ。

筑波大学芸術専門学群にてヴィジュアル・アートとコミュニケーション・デザインを学び、1986年に卒業。幽玄な霊性を帯びた女性の身体にインスピレーションを得て、ドローイング、絵画、版画、彫刻、インスタレーション、料理、パフォーマンスなどの多様なメディアを使い、乳房をモチーフにした作品を多く発表。

《ブリリアント・ブルー》は、女性の象徴的な身体のフォルムを器と山の形に集約し、仏教の仏舎利と供物椀のイメージや自然界の原始的で神聖な形と関連付けている。《ウーマンリー・ボディーズ(自由な線―レッドブラウン)》は、女性の胴体を表現した彫刻作品《ウーマンリー・ボディーズ》を第3回アジア・パシフィック・トリエンナーレ(ブリスベン、1999年)で発表した後、ノーザンテリトリー大学(現チャールズ・ダーウィン大学)付属のノーザン・エディションズでのワークショップで制作された版画である。彫刻作品と同名の版画作品は、シェラックを塗り重ねた厚紙に鉄筆で図像を描き原版とし、オーストラリアの風土から喚起された色彩として、赤茶色で6部、灰色で8部のエディションが刷られた。微妙な色彩の変化とインクの濃淡によって、硬質な素材を版にしながら深みのある生きた質感が感じられる。《乳房 器 1》は、逆さになった乳房の形の器が、越前の職人が作るMO紙に鉛筆で丹念に描かれる。この乳房の形は、仏僧が持つ托鉢の椀との関連性に加えて、作家自身の出産の経験から着想を得ている。母子の関係を強くつなぐ授乳の行為は、同時に子から何かを受け取ることでもあるという気付きが、器としての乳房に結実している。《乳房と雲》は、アンジェ(フランス)でのレジデンス・プログラムで制作され、現地の羊皮紙が使われている。アクリル絵具を水で溶かずに粘度が高いまま糸状に引き、やや盛り上がった輪郭線で描かれた乳房は独特な浮遊感があり、作家の個人的な内省と社会的なパラメーターとの間で揺れ動く様を示す。

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