フルックスオーケストラの為の作品

作家名(日)アルバート M. ファイン
作家名(英)Albert M. Fine
制作年1966
素材・技法プラスティックケース、紙、紙製箱
サイズケース: H1 × W10 × D12cm、カード:H10.5 × 7.9 cm × 24枚
収蔵年2022(購入年月日:2022/03/10)
受入方法購入
解説1932年ボストン(米国)生まれ、1987年逝去。

1958年にジュリアード音楽院で学士号を取得し、 1960年には同校で修士号(オーケストラ指揮)を取得した。ジュリアード・オーケストラのヨーロッパ・ ツアーに参加し、グロッケンとピアノの中間のハイブリッド楽器であるチェレスタを演奏した。作曲に加えて詩の創作も並行して行い、フィリップ・グラス、ア レン・ギンズバーグ、ジョージ・マチューナス、そしてジョン・ケージと協働した。また、レイ・ジョンソンと共にメールアートの発展にも取り組み、その活動は文学、哲学、社会学、数学、詩、フランス音楽、視覚芸術など多岐にわたる。作品の多くはアイオワ大学のATCA(Alternative Traditions in Contemporary Arts) に収蔵されており、ドローイング、メモ帳、書簡、私物、楽譜やその録音などのコレクションが含まれる。

本作は、ジョージ・マチューナスのデザインによる劇場の平面図をモチーフとしたラベルが貼られた箱の中に、24人の演奏者のための24枚のスコア(楽譜) /インストラクションが収められている。この曲は15分の長さで、オーケストラの24人のメンバーが観客席の中に目立たないように着席できるように設計されている。この曲は夜の始まりか、休憩後の最初の曲として演奏される。また、24枚のカード脇の数字は15分の経過を示しており、各分数に対応する指示にパフォーマーは従って演奏する。全ての指示が言語を介して為されており、そこから派生する行為が他者 との応答へと展開し、その集積が調和や歪みを生み出している。本作は収蔵作家の塩見允枝子が所蔵していたもので、このようなインターメディア的かつゲーム性の高い手法は、1960年代を代表する芸術運動であるフルクサスの特性が窺える。

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