地上はどんなところだったか

作家名(日)内藤礼
作家名(英)NAITO Rei
制作年2020
素材・技法ガラス、スチールに塗装、ビニール、糸、ビーズ、電気コンロ、木に塗装、雑誌、プリント布、紙にアクリル絵具、毛糸、空気、風船、鏡、木にアクリル絵具、照明器具
サイズサイズ可変
著作権表示©︎NAITO Rei
収蔵年2021(作品購入年月日:2021/03/16)
受入方法購入
解説1961年広島県(日本)生まれ。

1985年武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業。2019年第60回毎日芸術賞、第69回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。空気、水、重力といった自然がもたらす事象を通して「地上の生の光景」を見出す空間作品を生み出してきた。

本作品は、2020年に当館で開催された個展「うつしあう創造」のために制作された。「うつしあう創造」という言葉には、人と自然、作家と作品、作品と観客、 内と外、生と死といった二者が「うつしあう」ことで生気や慈悲が生まれ、そこに「創造」の瞬間を見出したいという思いが込められている。2つの展示室の鏡像のような「うつしあい」によって成立する本作品に おいて内藤は、展示室の内側を「生の外」、外側を「生の内」に見立て、室内奥に設置された窓ガラスに、通路を歩く人や室内に入ろうとする人が色彩を伴って写り込む光景を通じて、生気の瞬間を伝えようとし た。また、窓を飾るように配置された風船やボンボン、 紙に絵具をのせた絵画、雑誌、プリント布といったモチーフは、「生」を慰め、護り、励まし、讃え、祝うた めの「飾り付け」である。そして手前に置かれた電気コンロの上では、糸に結ばれた細いビニールが熱によって生き物のように揺らめく。本作品は私たちが生の内と外を行き来するための、ささやかながらも壮大な「ままごと」としての芸術なのである。

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