光のない。-私の立っているところから
| 作家名(日) | 柳瀬安里 |
|---|---|
| 作家名(英) | YANASE Anri |
| 制作年 | 2016-2017 |
| 素材・技法 | HDヴィデオ |
| サイズ | 17分37秒 |
| 収蔵年 | 2020(作品購入年月日:2020/03/16) |
| 受入方法 | 購入 |
| 解説 | 1993年埼玉県(日本)生まれ。 2016年京都造形芸術大学芸術学部美術工芸学科卒業。社会政治学的問題から個人的な問題に至るまで、自身を取り巻く世界に対して自らの身体を通して応答する作品を制作する。 《光のない。―私の立っているところから》は、エルフリーデ・イェリネクが東日本大震災とそれに伴う原発事故を受けて書き上げた戯曲『光のない。』を柳瀬自身が暗唱しながら沖縄高江のヘリパッド建設工事ゲート前を歩いている映像作品である。本戯曲には明確な物語や会話、説明はなく、多用される「わたしたち」についても曖昧なまま、現実に起きた非常事態に対してどうしたらいいのか、という問いが続く。柳瀬は本文中の「わたしたち」が一体誰なのかを確かめるために、東日本大震災で問われていた当事者と非当事者、加害者と被害者との関係性を、沖縄の基地問題と重ね合わせ、無視できない現実を直視すべく高江の地を選んだ。戯曲を読み上げる行為は、劇場の舞台ではなく、現実の出来事が起きている沖縄で行われ、テキストが生々しく目の前の出来事と結びつき、戯曲の主題を福島から沖縄へと拡張している。イェリネクのテキストの多様性を引き受けながら、複数の「わたしたち」の間を彷徨う柳瀬の身体的行為は、今それを目の当たりにしている私たちにこそ突きつけられている。 |
