マイオール・クリークの喪帽(攻撃的な母国)1-4
| 作家名(日) | ジュディ・ワトソン |
|---|---|
| 作家名(英) | Judy Watson |
| 制作年 | 2018 |
| 素材・技法 | 1,3,4:黄土、土、展色材、アクリル / 紙 2:黄土、土、展色材、ブラッドゴム / 紙 |
| サイズ | 1、4:H75.3 × W55.7 cm 2、3: H64.6 × W49.6 cm (4点組) |
| 収蔵年 | 2020(作品購入年月日:2020/03/16) |
| 受入方法 | 購入 |
| 解説 | 1959年マンダベラ(オーストラリア)生まれ。 オーストラリア大陸北部のノーザンテリトリーにルーツを持つ先住民ワーニー族の血を引く。1986年 にモナシュ大学でヴィジュアル・アーツの大学院ディプロマを修了。主に版画の技法を学び、その後は彫刻、インスタレーションなどにも取り組み、オーストラリアを代表する作家として国際的な評価を得ている。 ジュディ・ワトソンは、18世紀に始まった英国によるオーストラリアの植民地化によって、土地を追われ文化を破壊された先住民の歴史と非先住民の歴史の複雑な交差を探求している。素材に使われる土(earth)は、文字通り大地と強く結びついて生きてきた自身のルーツを尊ぶものである。紙やカンヴァス地の作品は、枠取りや額縁によって周囲の環境と分断されることを嫌い、アボリジニの人々が持ち続けている回復力と文化的な強さにも言及している。《グレートアーテジアン盆地の泉、湾(泉水)》は先祖の土地ノーザンテリトリーを題材に、海と空の青を思わせる藍の多重染の地に土地の地図を記したものである。藍染はしばしばワトソンの母親や親族との共同作業で行われ、染めの作業の後、両親の住むブラム・ヘッズの草地で土地の水を使って洗い流される。カンヴァスの上でダンスを踊るように足踏みする過程は、身体を通して大地、水、風などと応答し続けるアボリジニの伝統にも因んでいる。《マイオール・クリークの喪帽(攻撃的な母国)1-4》は、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州のマイオール・クリークで1838年に起きたアボリジニ28名の虐殺がテーマである。制度的差別が撤廃されても依然として残る心理的差別と、大文字の「歴史」では語られない過去を、忘却によって葬り去ろうとする人々へのメッセージでもある。 |
