綱渡り:音を立てずに 5
| 作家名(日) | エリアス・シメ |
|---|---|
| 作家名(英) | Elias Sime |
| 制作年 | 2019 |
| 素材・技法 | 再生電線 / パネル |
| サイズ | H184.2 × W361.9 × D2.3cm |
| 収蔵年 | 2020(作品購入年月日:2020/03/16) |
| 受入方法 | 購入 |
| 解説 | 1968年アディスアベバ(エチオピア)生まれ。 1998年アディスアベバ大学芸術デザイン学部を卒業。廃棄された回路基板、コンピュータのキー、通信 線などの電子部品など、日常的な素材を巧みに編み、重ね、組み立て、ありふれたものを地形や具象物、色彩の場を暗示する叙情的な抽象的構図へと変貌させる作品で世界的に知られる。これらの素材は伝統と進歩、社会的ネットワーク、自然と人工物の間の摩擦を暗示し、アフリカの現代社会に内在する複雑な関係性を示唆する。 《綱渡り:音を立てずに 5》の素材のほとんどはアフリカで最大級とも言われるアディスアベバの野外市場にある「Menalesh Tera (あなたは何を持っていますか?)」のコーナーに集まってきたもので、携帯電話やコンピュータから剥ぎ取られたワイヤーを地元の女性たちから学んだ技法で編み、機知に富んだ方法で再生。抽象的な風景画のような本作品は、立ち昇る煙、空に浮かぶ雲、水面に反射する光など、様々な自然現象を想起させるエネルギーの感覚を生み出している。自然界に関連するイメージの一方で、本作品の素材は人間の痕跡や記憶の意味を引き出し、グローバルな金融と商業の中心地から出た大量の電子ゴミの回収を引き受けるアフリカの現状を浮き彫りにしている。本作品にはまた、西アフリカのケンテ布やストリップ織りのデザインに見られる模様など、ローカルな伝統工芸技法の特徴がよく表れている。廃棄された日用品を素材にとり、複雑なコラージュとアッサンブラージュを施す手法は、伝統的なアフリカの美学とデザインを反映しており、多様な要素を組み合わせることによって相互のつながりや一体化するコミュニティを象徴する豊かな視覚言語を生み出している。 |
