Photo: Keizo Kioku
scenery passing (out of town)
| 作家名(日) | 西村有 |
|---|---|
| 作家名(英) | NISHIMURA Yu |
| 制作年 | 2018 |
| 素材・技法 | 油彩 / カンヴァス |
| サイズ | H194 × W259cm |
| 著作権表示 | © NISHIMURA Yu |
| 収蔵年 | 2020(作品購入年月日:2020/03/16) |
| 受入方法 | 購入 |
| 解説 | 1982年神奈川県(日本)生まれ。 2004年多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業。ふと目にした日常の風景や出来事、自身の記憶の断片を1枚のカンヴァスの中で重ね合わせることで、作家が感じた風景の構築に取り組んでいる。第6回はるひ絵画トリエンナーレ奨励賞(2009年)、FACE2014損保ジャパン美術賞優秀賞(2014年)、絹谷幸二賞(2017年)など、若手の登竜門とされるコンクールでの受賞により国内で高く評価を受けている。 ひとつのモチーフを起点に、湧き上がるイメージを組み合わせ、描き残しを作ったり、イメージを重ねたりすることで思考の変化や過程を画面に留める。素早いタッチで絵具を重ねる手法は、輪郭線にズレやブレを生じさせ、時間の流れや動きを与えるとともに、モチーフ自体も変容させていく。《looking for》は、西村が度々取り上げる森の中の風景に人物がさまよう様子を描いた作品である。全てを描ききらず、濃淡のバランスで遠近を表し、意図的に絵具の垂れを残すなど実験的であり、作家自身も何かを探しながら描き進んだような余韻を残す。《a girl listening》では、女性が椅子に腰掛け、物思いにふけるような様子が描かれている。デフォルメされた女性像と室内の組み合わせは西村作品においては新しく、小品ではあるが新しい展開を期待させる。《scenery passing (out of town)》は、 西村が毎日の移動の中で目にする車窓の風景を起点にしている。日々ぼんやりと目にする景色の中に時間の変化と自身の思考の揺らぎを重ねながら幻想的で現実にはない風景に変容させた大作である。画像が氾濫する現代において、リアルとアンリアルの境界が不確実であるという時代の空気感を、絵画という古典的な手法によってその可能性を探求する。 |
