無題
| 作家名(日) | ボスコ・ソディ |
|---|---|
| 作家名(英) | Bosco SODI |
| 制作年 | 2018 |
| 素材・技法 | 水彩 / 紙 |
| サイズ | H29.5 × W21cm |
| 著作権表示 | © Bosco SODI |
| 収蔵年 | 2019(寄付採納年月日:2019/03/08) |
| 受入方法 | 寄贈 |
| 解説 | 1970年メキシコシティ(メキシコ)生まれ。 メキシコで絵画を、スペインで写真を学ぶ。作家自身の手と素材との直接的な対話を通じて生み出される複雑なテクスチャーと、自身のルーツでもあるメキシコの鮮やかな色彩を組み合せた作品で知られる。完成形に辿り着くことよりも、素材の研究や実験といった過程に重きを置いて制作するソディは、コンテクストによって作品たらしめられる現代美術という枠組みを超えた、純粋な表現を追求して制作を続けている。 《立方体》は、細長い素焼きの煉瓦25個を組み上げて作られるオブジェで、2017年、ニューヨークの公園に1600個の素焼きの煉瓦を積み上げて壁を作ったプロジェクト「MURO (壁)」に由来している。このプロジェクトは、作家が活動の拠点を置くアメリカの政権下で、自身の故郷メキシコとの間に国境となる高い「壁」の建設が計画されたことを批判したもので、作家は参加者にそびえ立つ煉瓦の壁をひとつずつ持ち帰るよう呼びかけ、やがて壁は跡形もなく消え去った。自身の制作姿勢ともいうべき手仕事によって生み出された素焼きのレンガを並べ、分割し、多くの人々と共に分かち合うというこのプロジェクトを通じて、作家は危機的な状況に挑戦し、いかなる障害も人々の連帯によって解体されうることを示そうとした。また、作家はこの出来事をアーカイブするため、壁を分割した《立方体》を 6点のドローイング《Untitled》と共に世界の美術館へ寄贈することを試みており、本作は寄贈作品のひとつである。簡素な素材と単純なプロセスでありながら、的確に現代の状況を捉え、社会における芸術の本質的役割や、芸術と人々の関係性のあり方をあらためて問おうとしている。 |
