リフレクション・モデル(テセウスの船)
| 作家名(日) | 岩崎貴宏 |
|---|---|
| 作家名(英) | IWASAKI Takahiro |
| 制作年 | 2017 |
| 素材・技法 | 檜、シナベニヤ、ワイヤー |
| サイズ | 社殿:H84 × W790 × D354cm、大鳥居:H137 × W96 × D46.5cm |
| 著作権表示 | © IWASAKI Takahiro |
| 収蔵年 | 2019(作品購入年月日:2019/03/08) |
| 受入方法 | 購入 |
| 解説 | 1975年広島県(日本)生まれ。 歴史的建造物を実像と水面に映った鏡像を結びつけ た形で檜材により組み上げ、宙に吊るす「リフレクション・モデル」シリーズや、鉄塔やクレーンなどの構造物をタオルやブラシといった日用品の一部に手を加えることで再現し、繊細で儚い日常風景を作り出す「アウト・オブ・ディスオーダー」シリーズなどのインスタレーションで知られる。いずれも現実のモチーフのスケールを縮小し、質感や強度の異なる素材へと置き換えることで、見る者の認識を揺さぶり、別の時空を開くことが試みられている。 本作品は「リフレクション・モデル」シリーズのひとつであり、厳島神社が過去2度の台風で壊れた様子が再現されている。タイトルの「テセウスの船」とは、 ある物体の構成要素が全て置き換えられたとき、それは同じ物体であるといえるのかという問いを投げかけた古代ギリシャのパラドックス。800年以上前に建てられたという厳島神社は、最も重要な本殿を守るために、海側の建造物があえて壊れやすく作られており、過去何度も台風の被害を受け、その度に新たな部 材で修復されてきた。それは、自然と共生しながら存続してゆく東洋的な残し方の象徴ともいえよう。人と自然、破壊と再生をめぐる探求を見事に昇華した本作品は、2017年のヴェネツィア・ビエンナーレの日本館代表での出品作品である。 |
