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二葉の短冊

分類岩城郷土館資料
使用地域岩城島
使用年代大正2(1913)年5月
公開解説 この二首は、若山牧水が岩城島を訪れた時に詠んだ歌です。来島したのは大正2(1913)年5月のことで、この時の様子は、短歌雑誌『晩鐘』の昭和22(1947)年11月号に掲載された三浦敏夫氏の随筆「牧水に始めて逢った時」で紹介されています。

 三浦家に到着した牧水は、海に面した同家別荘に案内され旅装をときました。敏夫氏がこの場所を選んだのは、「そこには海に掛け出した部屋もあって、静かに酒を酌むにも都合がよいと思ったからだ」ということでした。

 さっそく二人だけの酒宴が始まりました。杯が手から手に、往き来しているうちに、向こうの島から、渡ろうとするホトトギスの声が聞こえてきました。牧水は、話すのをやめて聞き耳をたて、そして、即興歌を朗詠するのでした。「窓前の瀬戸はいつしか瀬となりぬ 白き浪たちほととぎす啼く」。「ゆたゆたにはやく潮満てゆたゆたに 酒さかづきにみちてあるほどに」。

 この二首は、牧水全集には掲載されていませんが、短冊に書かれて敏夫氏の手元に保存され、現在に受け継がれています。

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