起き上がり小法師・チャンオッを被る婦人

コレクション分類世界の民族玩具
都道府県 or 国名韓国
製作地韓国(朝鮮半島)
地域アジア
材料張子(紙・粘土・素麺粉)
製作年代1929(昭和4)年
寸法(㎜)60×30×30
資料解説『朝鮮玩具図譜』(尾崎清次著/1934・昭和9年刊)第十図掲載品。張子製の人形の下部に粘土のオモリがつけられ、倒してもゆらゆらと起き上がってくる玩具「起き上がり小法師」。武井武雄の『日本郷土玩具』(1930・昭和5年)をはじめ、張子は日韓併合(1910年)後、新しく出来たように記したものも少なくないが、尾崎は、「決して新しいものではなく、而も市販の玩具としては最も長く生命を有したものである」としている。朏健之助の『アジアと日本の玩具』(1992・平成4年)などによると、二十世紀初頭の京城(ソウル)では、「オットクィ」と呼ばれて東大門周辺で売られていたらしい。戦前日本の郷土玩具収集家たちはこれらに「兀然童」と漢字を当てて愛蔵していた。朏は、兀然童が小さい理由について、子どもは自由に遊ばせるのではなく躾けるものであるという儒教思想が強い社会にあって、遊びの道具は周囲の目に触れないよう小型化し、兀然童もまた掌中に隠せるサイズになったのではないかと考察している。本品は、婦人が外出時に頭部からすっぽりとまとう「チャンオッ」を被った姿を表している。

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