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上棟祝

大分類民俗
所在地伊仙町全域・徳之島全域
公開解説個人聞き取り資料
聞き取り場所 伊仙町目手久

 家を新築する際、棟上げは日柄を選び、その日の干潮から満潮に向かう時間に行う。
◎用意するもの
 御神酒、塩、米、丸餅、大5個、小(縁起のいい数…365個など)、小銭(縁起のいい数…8,888円など)をアルミホイルで包んだもの、お菓子類、お盆5枚

◎手順 
①山から太めの竹を切ってきて屋根の中心部に固定し、災厄を祓うための飾り矢を立てる。矢の先は北を向ける(東は本土があるため、親族等のいない方角へ向ける。)
②棟木には棟梁が「祝上棟 家内安全 家運長久 建主〇〇〇」と日付を書く。
③干潮時から満潮に向かう時間に、棟木を打ち込む。
④屋根の中心部にシキ台を組み、4枚のお盆それぞれに丸餅大1つと小餅、小銭、菓子類を乗せる。5枚目のお盆には、御神酒、塩、米、丸餅大を載せる。
⑤家主、施工人がシキを終えたら、家の四隅に施工人が木槌を持って立ち、唱え口に合わせて3度桁をたたく。
⑥家の四隅からそれぞれ大きな丸餅を投げ、それを下で代表者が受け取ったら、今度は集落の子どもたちや上棟祝に駆け付けた親族・友人などに、小餅や小銭、お菓子などを屋根の上から撒く。
⑦最後に、家人が家の中心に立ち、棟から投げる大きな丸餅を受け取る。
一通りの儀式が終わったら、家人よりお酒や料理が振る舞われ、唄や踊りなど賑やかに宴会が催される。
 
 昭和53年に編纂された伊仙町誌には、「あらかじめ棟上げされたい家の大黒柱に米と甘藷を風呂敷に包んで家主が下げておき、新築ふきかえ屋根が完成すると子供たちが集まり、吊るしてあった米で隣の家へ行って御飯を炊いてくる。そして新築した家の四角に御飯をぬりつけ、棒で柱をたたきながら、唱え口を言い家運長久を祈願する。」と記載されている。
公開解説引用伊仙町誌P550

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