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前当り遺跡
大分類 | 遺跡 |
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所在地 | 面縄 |
時代・時期 | グスク時代 |
公開解説 | 前当り遺跡は、標高60m前後の石灰岩段丘上に立地するグスク時代を中心とする集落跡である。発掘調査の結果、掘立柱建物跡、土壙墓、水田跡が検出された。出土遺物はくびれ平底土器、滑石混入土器、カムィヤキ、白磁、滑石製石鍋等、11、12世紀代のものがほとんどを占めており、それぞれの遺構に伴う遺物の種類に大差がみられなかったことから建物、墓、水田はほぼ同時期に営まれていたと判断された。 遺跡の東側に当たる台地部では掘立柱建物跡と土壙墓、面縄川に隣接する西側の谷部では水田跡が検出されたことから、石灰岩地形の特徴に合わせた土地利用がなされていたことが明らかとなった。水田跡の調査では、緩傾斜する地山を削り込んで階段面を作り出し、谷底を造成して平坦面を設け、段差面に石灰岩を混ぜ込んだ畦畔を盛ることによって隣接する水田が区画される経過が観察された。 発掘調査によってグスク時代開始期における土地開発の一端を知る上で重要な成果が得られた。 |
公開解説引用 | 新里亮人編 2018『前当り遺跡・カンナテ遺跡』伊仙町埋蔵文化財発掘調査報告書17 伊仙町教育委員会 |