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【国指定】徳之島カムィヤキ陶器窯跡

大分類遺跡
所在地検福・伊仙・阿三
公開解説 史跡徳之島カムィヤキ陶器窯跡は、鹿児島県大島郡伊仙町の阿三、伊仙、検福に所在する中世並行期(11世紀後半~14世紀代、沖縄のグスク時代、日本列島の平安時代後期~南北朝時代)の窯跡である。本遺跡で生産された陶器は、琉球列島全域と九州南部で確認されており、その流通範囲は南北約1200kmの広い地域におよぶ。カムィヤキは古くより沖縄諸島のグスク(城塞遺跡)や集落跡から出土することが知られていたが、その産地については諸説があった。
 昭和58年、伊仙町阿三のため活け改築工事中のに複数の窯跡が発見され、徳之島での陶器生産が行われていたことが明らかとなった。その後、平成8年度依頼継続されている保存目的の分布調査、確認調査によって、窯跡は約200ヘクタールの国有林252林班内にあり、7つの支郡が伊仙町阿三、伊仙、検福の3地点に点在していることが明らかとなった(青崎・伊藤編2001、新里編2005)。窯跡や灰原は放射状に派生する丘陵の斜面に複数発見される傾向にあり、窯跡群は20地点を数える。1地点には10基前後の窯跡が構築されているので、おおよそ200の窯跡が包蔵されている可能性がある。なお、史跡名称となっている「カムィヤキ」てゃ、窯跡の最初の発見地名(伊仙町阿三「亀焼」の方言呼称に由来する。
 本遺跡は、琉球列島最古で大規模な中世窯業生産跡で、文献資料の少ないグスク時代の生産と流通を知る上で重要であることから、平成19年2月6日に阿三亀焼支群1,2地区、阿三柳田(南)支郡、伊仙東柳田支郡が国史跡に指定され(24162.38㎡)、平成21年2月12日には、伊仙平ソコ支郡、検福ウッタ支郡、検福イヤ川支郡の一部が追加指定された(23996.53㎡)。
公開解説引用新東晃一・青﨑和憲(編) 1985a『カムィヤキ古窯跡群Ⅰ』伊仙町埋蔵文化財発掘調査報告書(3)  伊仙町教育委員会
新東晃一・青﨑和憲(編) 1985b『カムィヤキ古窯跡群Ⅱ』伊仙町埋蔵文化財発掘調査報告書(5)  伊仙町教育委員会
青﨑和憲・伊藤勝徳(編) 2001『カムィヤキ古窯支群Ⅲ』伊仙町埋蔵文化財発掘調査報告書(11) 伊仙町教育委員会
新里亮人(編) 2005『カムィヤキ古窯跡群Ⅳ』伊仙町埋蔵文化財発掘調査報告書(12)  伊仙町教育委員会
新里亮人(編) 2015『史跡 徳之島カムィヤキ陶器窯跡保存管理計画書』伊仙町教育委員会

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