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【国指定】鹿浦小学校旧奉安殿

大分類建築物・工作物
所在地伊仙町阿三
公開解説【国指定登録有形文化財】

奉安殿とは、戦前から戦時中にかけて、天皇、皇后両陛下の御真影と教育勅語を納めていた建物です。4大節祝賀式典(元旦、建国記念日、昭和天皇誕生日、文化の日)の際には、職員、生徒全員で御真影に対する最敬礼と教育勅語の奉読が行われていました。戦後、奉安殿は廃止となり全国各地の奉安殿の多くは解体されましたが、この奉安殿は当時の姿を保っていました。鹿浦小学校の旧奉安殿は昭和13年、当時の学校職員、生徒、地域住民の共同作業によって建設が始まり、昭和16年に完成しました。戦時中、戦闘機からの銃撃を受け、壁面には弾痕が残っており、戦争の悲惨さを現在に伝えてくれています。建物は、基壇の上に建てられ、間口2.2m、奥行き1.9m、建築面積4.3㎡の規模で、鉄筋コンクリート平屋建ての造りとなっています。正面に柱を2本建てた向拝唐破風の切妻屋根(神社風の造り)が架けられており、四隅には長押(なげし)でつながれた円柱が立てられています。日本古来の伝統的な外観をもち、国土の歴史的景観に寄与しているとして登録有形文化財の対象となりました。現在は卒業生のタイムカプセル保管庫として活用されています。
公開解説引用中野徳三 2008「奉安殿建設にまつわる話」『旧奉安殿が国の登録有形文化財として登録されたことを祝う会』資料
文化庁『文化遺産オンライン
http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=88554

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