みや上り節

大分類芸能・娯楽
公開解説一、ハーレイ うやぬもりゅんうちや
あんどうまつイぬくくろ
(あんどうまつぃぬくくろ)
うやぬあとなアればイ
とれぬマアタゆユウやんぐヮ ゆユウやんぐゎ

二、しまじまぬきょうでぃぐゎ まねまねどぅやすぃが
いきょゆんどきんやちよんまぐゎ はなちむどぅさ

三、たむらよそじまなん うやきょうでぇやいもらん
わんかなしゅんしゅんちゅうど うやちうがま

みや上り節 (共通語訳)
一、親の居る間は明かりがついているような心
親が亡くなった後は、真夜中の暗闇のようだ

二、しまじまぬきょうでぃぐゎ まねまねどぅやすぃが
いきょゆんどきんやちよんまぐゎ はなちむどぅさ

三、他村他シマ(集落)には、親、兄弟はいません。
私が愛しく思う人こそ、親と思って拝みましょう。

[曲目解説]
曲名の「みや上がり」の「みや」を「宮」と当て字をする人が多いが、意味は明らかでない。この唄と異名同曲である「二上がり節」(三味線の調弦による曲名)の「二」の発音が「みや」になったのではないかとも推定できる。いずれにせよ、この唄は徳之島の「二上がり節」「はやり節」「道節」「犬田布節」などと同系の唄である。
これらの唄が歌われる目的と機会は一様ではない。
(1)病人を慰めるために、伽唄として歌う。
(2) 親しい人を失った時の自分らを慰めるために歌う。
(3) 婚礼で、娘を嫁がせるときの道行に歌う。
(4) 旅送りをするのに、家から海岸まで送るのに歌う。
などがあげられる。昔はそれぞれに相応しい歌詞があったが、今はそうした場で歌わっることはほとんどなく、歌詞も一般的な8886調の共通歌詞が歌われる傾向にある。
「はやり節」という曲名が語るように、非常な勢いで流行した曲で、徳之島だけでなく、奄美大島、沖永良部にまで伝わっていく。
奄美大島南部に残る「徳之島節」「犬田布節」(徳之島内の地名による曲名)や沖永良部の「犬田布れー(嶺)」(同前)などがそれである。曲名によって、徳之島の唄であることは分かるが、今やその土地に完全に根付いている。

公開解説引用文化遺産を活かした地域活性化事業報告書

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