/5

【町指定】振り茶

大分類芸能・娯楽
所在地犬田布
公開解説【町指定文化財】

ふり茶は、ほうじ茶をチャ―ウィー(茶桶)に入れ、竹製の茶筅で泡立たせたもので、茶道のような格式高いものではなく、日常の語らいの場などで気軽に飲まれているお茶である。

所在地   犬田布
指定年月日 平成27年4月9日

ーーーーーーーーーーーーーーーー

個人聞き取り資料
聞き取り場所 伊仙町西犬田布

誰に教わったか
 子供の頃、おばあちゃんがやっていた。昔は農業ばかりだったので、ゆっくりとする時間があった。若い人が朝ご飯の前に畑仕事に行く間、年寄りはふり茶を飲んだ。

いつ頃まで行っていたか
 母が92歳まで生きていた(40年ぐらい前に亡くなった)が、その母がふり茶が好きだったので毎日やっていた。40年程前までは、どこの家でも普通にやっていた。

どのような時にするか
 ふり茶は普段の気軽な場で飲むものなので、お祝いなどの場ではしない。雨の日や夏の暑い日などの農作業が出来ない日に、近所にちょっと寄って話をしたり…と、気軽な場でやっていた。

手順
 茶道と違い、特別な手順ではない。
①湯を沸かす。
②お茶の葉(ほうじ茶)をお茶パック(昔はさらしを使用)に入れて用意する。緑茶だけ、もしくは抹茶が入ったほうじ茶では泡立たない。終戦後しばらくまでは、お茶の葉ではなく麦や米を炒ったものを使っていた。昔は、トウバルから魚を持って行き、ヤエゾウでお茶と交換した。
③お茶の葉を急須に入れ、お湯を注ぎ10分待つ。お茶を煮出す時間が短いと、泡が立ちにくい。
④急須のお茶をチャーウィー(茶桶)に入れ、竹製の茶筅で泡立てる。泡立りの目安は特にない。泡立たるのは、熱いお茶を程良くふり冷ますため。
⑤充分に泡立ったら湯呑に注ぐ。この時、桶を揺すって泡を上手に入れる。

その他 
 昔の人は、「ふり茶を飲むと長生きをする」と言っていた。また、「空茶は飲めない」といいふり茶を出すときは必ずお菓子(黒砂糖やインギュムィなど)やなますなどのお茶受けを一緒に出す。
公開解説引用文化遺産を活かした地域活性化事業報告書

PageTop