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本川海岸

大分類自然物
所在地伊仙町喜念
公開解説本川海岸は伊仙町域では珍しく川原石が豊富な海岸であり、数km離れて所在する佐弁トマチン遺跡(縄文時代晩期から弥生時代前期並行期)では墓域の敷石として利用されている(新里編2013)。前面は広く入り江となっており、その上流に喜念按司屋敷跡や尾母大谷山遺跡など、グスク時代の城郭的な性格をもった遺跡が立地すること、また周辺に唐船クビリ鼻や遠見番所(津口番所)という名称が残される一帯があることなどから、交易上重要な拠点だった公算が大きい。本川に集落は営まれておらず、海浜部は古く喜念集落のハマオリが行われたという(鹿児島県1995)。文献上に漂着や停泊の記録はあるものの、本川を「湊」や「港」と記した古地図は存在せず、近世においては港としての利用価値は大きくなかったようだ。
公開解説引用徳之島水中遺跡調査報告書(2020年3月刊行予定)
新里貴之(編) 2013『徳之島トマチン遺跡の研究』 鹿児島大学埋蔵文化財調査センター
鹿児島県教育委員会 1995『歴史の道調査報告書第3集 海の道 鹿児島市・南薩地区・三島村・十島村・種子島・屋久島・奄美大島・喜界島・徳之島・沖永良部島・与論島』

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