小銅鐸

資料名(ヨミ)ショウドウタク
遺跡天神台遺跡
時代・時期弥生時代終末期
解説 青銅製の小型の銅鐸(どうたく)です。弥生時代終末期に作られました。高さ6.8cm、幅4.8cm、身の厚さ1.5~2mmで、重さは44.5gです。アーチ状の吊り手は、すり減って中ほどが細くなっており、ひもを結び付けて使われたことがわかります。
 小銅鐸は鋳型(いがた)で作られた鋳造品で、横に二つ並ぶ四角い穴は外型と内型の間に挟んだ型持(かたもたせ/かたもち)の跡です。舞(まい)という身の上にある平坦面には鋳型の合わせ目の跡、鋳バリ(いばり)も残っています。
 銅鐸は弥生文化の代名詞と言えるぐらい有名な青銅器です。表面に描かれた文様や絵画から、実用品ではなく農業に関わる祭やまじないに用いられたと考えられています。音を鳴らすために中に棒をぶら下げた跡のある小ぶりなもの、吊り手の幅の狭いものが古く、抱えきれないぐらい大きいもの、吊り手の幅の広いものが新しいという傾向が分かっています。
 しかし、小銅鐸は10cmに満たない大きさですが系統が異なるようで、一般的な銅鐸より古いというわけではありません。また、墓に個人の副葬品として埋められている例があり、扱いも少し違っていたようです。
 小銅鐸は東海道沿いに分布していることがわかっていますので、関東地方の小銅鐸は東海地方での銅鐸生産と関係があったのかもしれません。市原市内では、天神台遺跡の他に川焼台(かわやきだい)遺跡で発見されています。

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