「周」銘瓦

資料名(ヨミ)「シュウ」メイガワラ
遺跡上総国分僧寺跡・南田瓦窯跡・荒久遺跡・南中台遺跡
時代・時期平安時代前期
解説 文字がスタンプされた平安時代の瓦です。「周」の文字が記されているため「周」銘瓦と呼んでいます。現在、上総国分僧寺跡と周囲の遺跡から合計25点が見つかっています(上総国分僧寺跡8、南田瓦窯跡1、荒久遺跡15、南中台遺跡1)。「周」は地名の頭文字で、当時の周准郡(すえぐん、現在の富津市付近)を示すと考えられます。
 「周」の字は、平瓦の凸面側(屋根に葺いたとき見えなくなる側)の細い方の端付近に、同じ型のスタンプで一定方向に押されています。同じ技法で作られ、スタンプも同じということは、「周」銘瓦が短期的にまとまって作られた一群であることを示すと考えられます。
 この「周」銘瓦は、上総国分寺の修繕用に焼かれた瓦の一部であることが、製作技法の検討などから明らかになっています。平安時代前期に上総国内の各郡が国分寺の維持に関与していたことを表す興味深い資料と言えるでしょう。

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