土偶

資料名(ヨミ)ドグウ
遺跡祇園原貝塚
時代・時期縄文時代後期~晩期
解説 縄文時代の貝塚、祇園原(ぎおんばら)貝塚から出土した土偶(どぐう)です。ミミズク形土偶と呼ばれるタイプの土偶で、胴部と左腕が欠けています。高さは15.5cm、重さは460gです。
 顔と耳の部分に赤い顔料が塗られ装飾されています。顔の赤さは化粧を表現したのでしょうか。耳は裏側も赤彩されていて、ピアス式の耳飾りを着けている様子を表現したことがわかります。顔の上方にある「M」のような線を重ねている部分は髪の波打つ様子を示し、背面には結い上げた髷(まげ)のような立体構造が作られています。体部を見ると、右腕から胸に続く高まりは正面側が低くなっていて、女性の上半身を表すように見えます。
 縄文時代の土偶は、乳房など女性の特徴を表現したものが多いことから、生命を作り出す力と象徴的に結びついた儀礼用の道具だったと考えられます。完全な形で発見される土偶はほとんどなく、儀式で使用される際に意図的に破壊されていたようです。
 祇園原貝塚から見つかったこの土偶も、縄文人の祈りとともに儀式で壊され、廃棄されたのでしょう。

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