弥生土器高杯

資料名(ヨミ)ヤヨイドキタカツキ
遺跡山田橋大山台遺跡
時代・時期弥生時代後期
解説 約1900年前、弥生時代後期の高杯形土器(たかつきがたどき)です。口縁直径は約23.4cm、高さは17.7cm、脚部直径は13.2cmです。
 高杯形土器とは、高い台(脚)を持った椀状のうつわのことを言います。高杯状の土器は縄文時代の終わりころからみられるようになりますが、弥生時代になると一般的な食器として定着します。市原市の属する上総地域では、弥生時代後期になると高杯形土器が普及します。この山田橋大山台遺跡(やまだばしおおやまでいせき)から出土した高杯形土器は、弥生時代後期の中でも後半の段階に位置づけられるものです。
 うつわの部分、杯部は上部が帯状に一段厚く作られ、そこに羽状縄文(うじょうじょうもん)と呼ばれるジグザグした形の縄文が施されています。また、段の下端は縄文原体もしくは布を巻き付けた棒状の工具によって、刻み目のようなギザギザの装飾がつけられています。口縁の端部上面にも縄文が施されています。
 脚部も、裾を粘土紐を重ねて段にして縄文を施すとともに、段の上端を工具で刺突しています。杯部と脚部の接合部は粘土紐が巻き付けられ、刻み目がつけられています。杯部の内外面や脚部外面の文様のない部分は、赤い顔料が塗られ、丁寧に磨き上げられています。

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