翡翠製大珠

資料名(ヨミ)ヒスイセイタイシュ
遺跡祇園原貝塚
解説 翡翠(ひすい)製の玉、大珠(たいしゅ)です。長さ8.2cm、幅3.5cm、厚さ2.8cmの大きさで、重量は118.7gです。端寄りに穴が開けられており、ひもを通して身に着けるアクセサリーだったと考えられます。祇園原貝塚(ぎおんばらかいづか)の、土器や石器が混じる土層(遺物包含層)から出土しました。
 祇園原貝塚は、東京湾を望む市原台地の南西寄りに位置する貝塚で、縄文時代後~晩期(今から4,000~3,000年前)を中心とした遺跡です。中央にあるくぼ地状の広場を取り囲むようにして、後期から晩期の竪穴建物跡が建てられていました。大量の土器のほか、土偶や様々な石器が出土しています。北西約300mには、祇園原貝塚よりやや古い時期に成立したと考えられる北野原遺跡があり、その集落から祇園原貝塚周辺へ生活の場の中心が移り、拡大したようです。
 翡翠は、市原から遠く離れた新潟県糸魚川流域産と考えられ、交易によってもたらされたものです。翡翠製垂飾は他にも出土しており、当時の縄文人たちのお気に入りだったのでしょう。あやしく光る緑色に魅せられたのでしょうか。

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