オオツタノハガイ製貝輪

資料名(ヨミ)オオツタノハガイセイカイワ
遺跡東千草山遺跡
時代・時期弥生時代後期
解説 オオツタノハガイという一枚貝で作られた腕輪です。推定全長約80mmの半分ほどが残り、幅57mm、厚さ3~4mmです。内側のふちや表面はよく磨かれ、なめらかに仕上げられています。貝のもともとの色である淡い桃色が一部に残っています。
 オオツタノハガイは縄文時代から貝輪の素材として利用されますが、この貝輪は弥生時代後期の竪穴住居に堆積した貝層から見つかったもので、弥生時代の資料として大変珍しいものです。
 オオツタノハガイは伊豆諸島の荒波を受ける岩礁に吸着して生息しており、捕獲する意図がなければ手に入らない希少な貝でした。三宅島で弥生時代の遺跡から未加工のオオツタノハガイが多数見つかっていることと、縄文時代以来の利用の伝統を考えれば、伊豆諸島南部から内房の市原まではるばる運ばれてきたものと考えられます。

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