機能から空間へ【1】

公開解説機能が進化していく一方で、トイレ空間のあり方については重視されてきませんでした。しかし、暮らしに不可欠な場だからこそ、もっと光を当てようという動きが1980年代半ばから起きます。
INAXは1986年、トイレを美しいインテリアとして捉えてもらうことを目的に、水まわりの文化発信基地〈XSITE〉を、東京・港区のアークヒルズ最上階にオープン。欧米10カ国30社から集めたトイレ・バス製品約800点を展示、販売しました。
壁際の3点は、〈XSITE〉で実際に販売していた便器です。
左奥はフランス製の便器で、花弁をモチーフにした優雅なデザインが特徴です。ライオンの彫刻が施された中央の便器は、オーストリア製です。
右奥の裸婦像はイギリス製の便器で、大理石を粉末状にして樹脂で固めた素材でできています。
また、トイレ空間をお客様へのおもてなしととらえ、デパートなどの公共施設でも、デザイン性の高いトイレやパウダールームが備えられるようになり、トイレに対する社会の認識を変えました。

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