「おしりを洗う」文化

公開解説伊奈製陶は、東京オリンピック開催の1964年、欧州で主に医療用として販売されていた、温水洗浄と乾燥機能の付いたトイレの輸入販売を始めました。しかし、日本人の体型に合わず、修理部品も簡単に手に入らないことから、すぐに国産化に取りかかります。日本人のおしりの形を調べ、アンケートを取りながら、ノズルの位置や角度など、細部にわたる開発が行われました。それが、国産初の温水洗浄機能付き便器〈サニタリイナ61〉です。
ポンプの水圧でノズルを押し出し、温水でおしりを洗浄。足元のスイッチ一つで、温風によるおしりの乾燥から、便器洗浄までを行う完全自動式で、当時は画期的な商品でした。おしりを洗うという提案は、当初は人々に驚かれながらも、やがて認知され、現在では日本の一般家庭における、温水洗浄便座の普及率は80%以上となり、新しい文化を創出しました。

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