潮音那智

登録番号J-585
作品名(欧文)Sound of Waves, Nachi Falls
作者名稗田 一穂 1920-2021
大きさ(cm)100*72.5
制作年1985
技法・材質紙本・彩色・額装
初出展覧会等第17回潮音会展(フジヰ画廊)
解説那智の滝は熊野那智大社の別宮飛瀧神社の御神体として祀られ、鎌倉時代には滝を描いた垂迹画が遺されている。和歌山県田辺市出身の作者は那智の滝の連作で知られており、熊野灘から望む那智の滝を描いたものや、飛瀧神社の社殿と共に描いたものなど多彩な表現を見せている。一方で、滝の表現は一条の白い帯として表され、写実的とは言い難い描写を見せており、単純化、形式化することで観念的な神としての存在であることをうかがわせる。同時に、海から離れて位置する那智の滝が作品に描かれているような姿で海を背景に目に映ることはあり得ず、熊野灘や熊野霊場の山々と共に描かれた曼荼羅的な性格を有しているともいえよう。稗田の那智の滝は、風景画というよりもむしろ宗教画とも呼べるもので、こうした作品が現代においても描かれているところに、日本人の宗教観、自然観として、自然と宗教が密接に結び付いていることが示されている。

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