影

登録番号P-982
作品名(欧文)Shadow
作者名石井 茂雄 1933-1962
大きさ(cm)35.8*22.9
制作年1960
技法・材質エッチング、アクアチント・紙・額装
初出展覧会等第13回前衛美術会展※推定
解説廃墟となった神殿を思わせる構造物が縦の線を強調する形で背景となり、その中を、アクアチントによる色調のニュアンスを効かせて透かすように描かれた、菊の花にも似たパラシュートのような3つの物体とともに、様々な人間や人形のようなキャラクターが見え隠れしている。重力の制約から解き放たれたかのように、それらは画面の中を定めなく浮遊するが、それらはまさに、足場というものを全く失った現代の我々の姿を影のような状況として象徴しているのかもしれない。漫画的な表現を風刺画的に用いる作品の他に、このような不可思議な背景の中を様々な者たちが隠し絵のように登場する作品もこの時期の石井の特徴ある作風と言える。年譜によると「影」と題された作品は、1960年に2つの展覧会で出品作として名前が見えており、他に同名の作品が確認できないので、本作品が当該作と推定できる。東京国立近代美術館(1966年度石井茂樹氏[父]寄贈)および東京都現代美術館所蔵(石井陽一氏[兄]寄贈)にも所蔵があるが、東京都現代美術館の「影」はサインがないようである。

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