使者

登録番号P-981
作品名(欧文)Messengers
作者名石井 茂雄 1933-1962
大きさ(cm)27*35.4
制作年1958
技法・材質エッチング、アクアチント・紙・額装
初出展覧会等第30回記念版画展(新橋ひろし画廊)※推定
解説わずか12年に過ぎない作画期間の大半、油彩で制作した作者は、たとえば東京国立近代美術館所蔵の「暴力シリーズ―戒厳状態Ⅴ」のビルの街を埋め尽くす巨大な黒い球体の群れが示すように、非人間的な力の有り様を生々しい色彩で表現した。しかし58年に銅版画の技法を学んでからの最後の3年間は、ほぼ版画の作家となり、モノクロームの世界に自らの制作を託している。「使者」は版画の早い時期の作品で、59年の画廊での展覧会に出品された可能性がある。画面は漫画的、風刺画的な描写による人物たちが、暗い道を踊りながら、楽器を奏でながら、おどけたようにパレードしている。中央の人物だけがあたかも周囲の喧噪に関わりないかのように厳かな表情で歩みを進めるが、その片手には大きな生首が掲げられている。この場面が直接何を表しているものかは定かでないが、うかれまわる人々がいかに不穏な現状を知らぬままにいるかが見てとれる。東京国立近代美術館(1966年度石井茂樹氏[父]寄贈)および東京都現代美術館(石井陽一氏[兄]寄贈)にも所蔵があり、東京国立近代美術館の「使者」は作者の自筆サインのようである。

PageTop