浴室の裸婦(浴槽の女) 

作家ドガ,エドガー Edgar DEGAS
制作年1883年頃
材質、技法(形状)モノタイプ、パステル・紙
作品寸 (縦、cm)31
作品寸法 (横、cm)28
作品識別番号Ⅱ-156
公開解説〔國富奎三コレクション室 常設展示室〕
 1870年代半ば、ドガはガラスや金属に絵を描いて紙に写し取るモノタイプという技法の作品を数多く制作するようになります。ふつうは1枚しか写しとれませんが、ドガは二度、三度刷ることもありました。同時期にパステル画も盛んに描いており、2つの技法の混合も試みています。
 この作品は二度目の淡い刷りの上に、パステルで加筆したものです。この作品の一度目の刷りは、シカゴ美術研究所に残されています。
 ドガにとってパステルは、人体の動きや造形を瞬間的に明確に捉えることができる優れた画材でした。パステルの加筆によって女性の顔の向きや、手や足の角度は調整され、体の左側面の強い光は自然光に近づけるごとく抑制されています。モデルを見下ろしてやや側面から捉えるのはドガの特徴的な視点であり、人体描写そのものへの関心の深さが窺えます。

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