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台風四号による農業災害対策に関する陳情書

名称ヨミタイフウヨンゴウニヨルノウギョウサイガイタイサクニカンスルチンジョウショ
時代昭和(戦後)
解説台風4号による農業災害対策に関する陳情書で九戸郡久慈市が作成したもの。

資料に記されている陳述書の内容
「5月29日午前10時頃襲来した台風4号による強風(瞬間最大風速36、7米(36.7メートル)、平均風速24、5米(24.5メートル))は翌日の午前2時まで及んだため、水稲を始め発芽直後における大小豆、ひえ、粟、とうもろこし等は、飛散消失し、乳熟期にある大麦及び穂揃期にある小麦は倒伏或は茎葉の擦傷を負い馬鈴薯(ばれいしょ)においては茎葉の基部が傷折したのみならず、甚だしきに至つては僅かに種薯の原形が地上に露出散在する等その殆どは再生不能の状態となり、更には家屋等においても倒壊、山火事に伴う焼失等あつて、その被害は真に類例を見ない惨状であります。
つきましては、久慈市、九戸地方における被害地の窮状を御賢察のうえ別記陳情事項に対し、適切なる御措置を賜り一日も速やかに復旧の途が拓かれますよう御高配を得たく茲に資料を添付し陳情申上げる次第であります。昭和36年6月2日」とある。

陳情を行ったのは、九戸養蚕農業共同組合、久慈市森林組合、久慈市農業共済組合、九戸開拓協議会、九戸農業委員会、九戸高原集約酪農建設協議会、久慈市議会、野田村、山形村、大野村、種市町、軽米町、久慈市であった。

昭和36年5月22日に発生した台風4号の国際名は「Betty(ベティ)」。台湾に上陸後、温帯低気圧に変わり、朝鮮半島を通過。日本海から北海道を通過。そのとき東北から北海道地方に被害をもたらしたとされている。
昭和36年5月29日に岩手県のた通過、甚大な被害をもたらした。
※馬鈴薯(ばれいしょ)とは、じゃがいものことである。
サイズ
地域その他
資料ID241TRB_00082

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