いろいろな言い伝えが残る有家の大滝
名称ヨミ | イロイロナイイツタエガノコルウゲノオオタキ |
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時代 | 昭和(戦後) |
解説 | 大魚に悲しむ主の伝説 鮭上がらぬ言い伝え 有家川にかかる大滝は、両岸に樹木がうっそうと茂って、あまり人が訪れない寂しい場所にある。 昔、ある人が上流から魚を釣りながら、この滝まで来てみると、滝ツボのあたりにたくさんの魚が集まっており、その中央に一人の老人のようなものが見えたという。 だが、その人は老人を気にすることなく釣り糸をたれていると、長さ3尺、重さ3貫目もある魚を釣り上げた。ところが、老人はその様子を見て悲しそうに涙をうかべ波間に消えていった。 その人は、この滝で大きな魚が連れたので、翌日も釣りに行った。すると、また同じような事があったため、恐ろしくなり部落の人たちに話をしたところ、「それは滝の主が老人の姿になって現れたのではないか」ということになり、人々は相談し祠を建てお祈りをしたところ、それから、その老人の姿が滝ツボから見えなくなったという。 また昔、有家に寺があったと伝えられているが、その寺があったころ、有家川でたくさん鮭がとれていたという。ところが、その寺の和尚は鮭が大好きで、小僧に毎日鮭をとらせては自分ばかり食べて、小僧には一切れもやらなかった。そのため、小僧は次第に体が弱ってゆき、ついには病気になって寝込んでしまった。 しばらくして、どうにか起きることができるようになった小僧は、「こんな寺に居られない」と、暇をもらって生家のある宮古に帰ることにした。 そして、帰る時に小僧は、藤をさかさに植え、川底にある石を全部拾いあげ、「七代七流れ この川に鮭はあがるな」と書いた大きな石を沈め、川石を持って宮古に帰ってしまった。それ以来、鮭は宮古に行ってしまい有家川では一匹もとれなくなった-という言い伝えが残っている。 しかし、現在の有家川はフ化場もあり、秋にはたくさんの鮭が銀鱗をはねらせる”恵みの川”となっている。 |
サイズ | |
地域 | 有家 |
資料ID | 101TS00141 |