フノリ石の掃除

名称ヨミフノリイシノソウジ
時代昭和(戦前)
解説胞子放散前が投石時期
昼夜番人置き密漁防止
フノリ石の投石方法は、『九戸郡種市村郷土教育資料』に「潮時を見はからい、投石場所の水深の深い所には石礫を入れ埋め立て基礎工事をして投石し、フノリの付着面が多くなるよう工夫しながら、その上、波浪の衝撃により異動しないようにして石材を投入する。投石する石材の重量は1個30貫以上とし、投石時期はフノリの胞子が放散する前の6月から7月までの間に、それぞれの場所に応じ最も良い時期を選んで実施する」とある。
また、フノリの採取は「毎年2月下旬以降に生育状況・潮・天候などを考慮し、組合ごとに区域を定め、組合員がいっせいに出てフノリを採捕する。各組合とも組合員による共同採捕であり、いずれも採捕は手づみであり、貝殻やその他の器具の使用は禁止される。その後、成長するにしたがい2回、3回と採捕する。3回以降の採捕には磯掃除をかねて貝殻などを使用して採捕するのが常である。採捕したフノリは共同で乾燥させ、各組合ごとに連合会に委託して共同販売する」
密漁防止は「各組合ともにフノリの口開きをもって採捕し、それ以前の採捕は禁止する。成長期の1月から4月までは各組合ごとに昼夜番人を置きフノリの乱獲と密漁を厳重に監視するようにしている。またワカメやその他の水産物についても同様に密漁の防止をはかり保護するようにしている」
そして、増産のために「昭和14年度以降は、毎年3万個ずつ投石し、将来は総水揚げ高を5万貫以上に増産する計画であり、そのために石掃除を励行させる。販売方法については、現在乾燥させただけのものを連合会に委託販売しているが、将来的には濃布糊に加工して販売し漁村の副業となるようにするとおもに価値の向上もはかっていくようにする」といあるように、このフノリの生産の増大に大変期待していたようである。
サイズ
地域川尻
資料ID101TS00067

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