墨菊図

名称ふりがなぼくきくず
大分類絵画
員数1幅
作者祇園南海
材質紙本墨画
法量まとめ縦121.3 横48.4
時代江戸
世紀18
寄贈・寄託者名和歌山県立博物館
解説 紀州の三大文人画家の一人・祇園南海(1676~1751)が描いた菊図。画面向かって右手から菊が伸び、中央で上中下の三方向に展開する。下方には茨のような枝が伸びて、これらが倒れそうな左下の菊に対応し、画面に安定感を与える。菊の葉は没骨で描き、やや青みを帯びた墨を用いる。一方、菊の花は花弁を丁寧に二筆で輪郭線を縁取って描き、花の中央部には点描で蕊をあらわす。茨の一部や菊の花弁の中心部、および葉脈の部分には濃墨を用いて、画面のアクセントとする。南海の菊花を主題とした作品は少ないが、菊の葉や菊花の描き方にこなれた印象があり、構図にも機知的な面が感じられるため、比較的晩年に近い時期に描かれたものと思われる。

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