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和歌浦図屛風

名称ふりがなわかのうらずびょうぶ
大分類絵画
員数六曲一双
材質紙本著色
法量まとめ各扇 縦106.3㎝ 横298.5㎝
時代江戸時代
世紀17世紀
解説 歌枕として古くから知られた名所・和歌浦(和歌山市)を描いた六曲一双屛風。両隻とも山の表現に淡墨、陸地と雲に金箔や金砂子を用い、建物や人物は色とりどりの濃彩で描く。右隻は、中央に片男波の砂洲を描き、玉津島社との間の入江の奥には和歌浦天満宮が描かれるが、東照宮はみられない。左隻は、中央に紀三井寺のある名草山を大きく描き、その前には片男波と対比するように布引松のある砂洲があらわされる。画面右上には、和歌浦を見下ろせる藤白峠がみられる。
 この屛風の制作年代に関しては、季節感と構図法に注目したい。まず、季節の表現については、右隻には天神を意識した梅の花、左隻には名草山の中腹にわずかに紅葉した樹木が描かれる。非常に控えめな表現ではあるが、春と秋の景物を取り入れている。次に構図について、右隻では天神山を画面右側に寄せ、左隻では名草山を画面左に寄せ気味に描く。左右隻の間に広く海が配され、左右で一体の景観として鑑賞することができる。名所風俗図のうち洛中洛外図は、時代が下るごとに季節の対比は希薄になり風俗表現は充実して、左右を入れ替えても鑑賞可能な形式に変化していき、和歌浦図も同様の経過を辿るという。本品の、わずかに季節感を有し、左右隻の景観に一体感を残しつつ人物表現も充実しているという特徴は、 17 世紀前半の作とされるアメリカ・サンタバーバラ本和歌浦・厳島図屛風の特徴と重なる部分がある。
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