交趾南瓜香合
| 名称ふりがな | こうちかぼちゃこうごう |
|---|---|
| 大分類 | 工芸 |
| 員数 | 1合 |
| 材質 | 陶磁器 |
| 伝来 | 伝・紀伊徳川家旧蔵 |
| 解説 | 紀伊徳川家伝来と伝わる交趾の南瓜香合。「交趾」は明末清初の中国南部で制作されたやきもので、型物成形による器面に低火度の鉛釉を掛け分けた軟質陶である。交趾の香合は遅くとも18世紀初頭には日本に請来され、江戸時代中後期を通じて大きな人気を得た。本品は緑釉と黄釉で彩られた南瓜香合で、身の襞は細く裾がすぼまる。身内底には外底まで達しないものの三方向への窯割れが生じている。蓋の接合部にみえる胎土は、茶褐色を帯びる。箱書の形式や内箱の緑色の真田紐など箱の特徴は、紀伊徳川家伝来品や紀伊藩周辺で制作された作品と共通し、その伝承を妨げる要素は見受けられない。少なくとも紀伊徳川家・紀伊藩の周辺で外箱が誂えられて受容されたものと思われ、藩の旧蔵品である可能性は高いといえよう。 |