幻燈機本体

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幻燈機

名称ふりがなげんとうき
大分類歴史資料
員数1台
材質銅板製
付属品説明書10点・替え板13枚・無地ガラス12枚・種絵288枚
法量まとめ縦37.5㎝、横13.4㎝、高39.7㎝(組立時)
時代近代(明治)
世紀20
解説 幻灯機(げんとうき、英名: magic lantern)は、ランプ(灯油)などで強い光をあてて、ガラスに彩色して描かれた画像を凸レンズで拡大し、幕などに投影するスライド映写機の原型にあたる機械である。江戸時代末期にオランダからもたらされ(「写し絵」とも呼ばれた)、明治20年(1887)代に小さなブームがあり、寄席などの大衆芸能として広まった。また、明治時代には最新メディアとして学校等でも視聴覚教材として利用され、明治期の「修身」教育の普及・宣伝に大きく寄与した。
 本資料は、煙出しの煙突がつき、後部からは内蔵のランプを取り出すことができる構造となっている。種絵(ガラス絵)を連続して映写するための替え板も付属する。また付属の説明書によると、これらの種絵は大阪市心斎橋の出原眼鏡店(出原治良吉)と大阪市西区の寺田清四郎が販売元であった。寺田清四郎は、大阪の花街で西洋幻燈制作や錦影絵の興行などをしていた人物で、オルガン諸楽器や運動用具体操機器なども扱っていたようである。また出原治良吉も、眼鏡・望遠鏡・顕微鏡・指輪・磁石・寒暖計などの商品を扱う店であった。種絵の説明書(種絵の解説書)は、明治30年(1897)~31年に印刷された蓮如上人一代記をはじめ、日露戦争のものも含むため、本体・種絵も含め、恐らく明治時代後半のものと推測される。種絵は、太閤記などの歴史物、見真大師(親鸞)や蓮如上人、釈迦一代記・地獄極楽などの仏教物、軍人肖像や日露戦争の海戦などの近代の戦争物、善悪鏡・通俗衛生・教育勅語などの教育物、美人や名所などの娯楽物など、多種多様である。

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