弘化二年忍城図

大分類歴史
よみこうかにねんおしじょうず
資料解説凡例があり、緑色が曲輪、濃紺色が土塁、橙色が寺地、赤色が社地、薄橙色が町家、赤黒色が島、水色が水、白色が田畑を表す。武家地には筆致が乱れている箇所もあるものの、家臣の姓名が記される。中新井にある東照宮の社殿の描写など、城内の構造物が写実的に描かれている部分にこの絵図の特徴がある。このほか、城下の下新井には天保7年(1836)に再興・造営された藩校進脩館と儒学者の芳川善助(波山)の屋敷がみえる。また。持田村内に武家地、町家、そして在家(百姓家)が入り乱れている様子が丁寧に塗分けられているのも興味深い。大沼の余白部分には、「至寒而者水鳥数来而、夜々時々数万軍勢如□時ノ声為羽音而飛」と記され、冬にはおびただしい数の水鳥が大沼に到来し、一斉に羽ばたく音は数万の軍勢の声が如くであったとある。豊かな水に囲まれた忍城ならではの渡り鳥にまつわる情景を記述している。
時代・時期江戸時代
年号・日付弘化2年(1845)10月中旬

PageTop