武州忍城之図

資料番号2017-102
大分類歴史
よみぶしゅうおしじょうのず
資料解説元禄14~15年(1701~1702)に帯曲輪を造成し、三重櫓、二重櫓、多聞櫓を建設する大改修を終えてから、文政6年(1823)以降に松平家が武家屋敷や長屋を増築するまでの忍城の城郭構造を描いた絵図。この絵図に採用されている城郭形状の様式が以後、公的に描かれる忍城図の基礎として用いられている。これにともなって、城下町(行田町)と新たに開発した八幡町(大工町)を含んだ構成で城絵図は描かれることになる。凡例があり、橙色が屋敷、青色が沼・堀川、黄色が道、薄桃色が寺社、青緑色が田畑、薄紫色が町家、緑色が明屋を表す。武家屋敷に姓名の記載がなく、屋敷地と明地を描き分けている点が特徴であり、新たな家臣団の屋敷割や城郭普請を検討する際に用いられた絵図に類すると考えられる。大手門外には牢屋に隣接して町奉行の役宅がみえる。ここでは、西町奉行と東町奉行の役宅が区別して描かれており興味深い。今後、町方支配の行政分掌を考えていく際にも手掛かりになる。
時代・時期江戸時代

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