戦後70年を迎えようとしています。
先の大戦では、慶應義塾関係者から2200人を超す戦没者が出ました。そして全国最大の空襲被害をこうむった大学ともなりました。
この時代の慶應義塾を見つめることは、単に一大学の歴史を回顧するというに留まらず、日本で最も古い歴史を誇る私立大学としての慶應義塾を通して、日本が戦争とどのように向き合ったかを問い直す、重要な試みとなります。しかし慶應義塾においては、この昭和の戦争の時代が必ずしも十分議論されてきたとはいえません。
この戦争の時代の評価については、様々な立場が存在し、難しい問題であることはいうまでもありません。しかし多様な議論が、事実に即して健全に、活発になされていくためには、慶應義塾においても、十分に基礎資料を収集、検討しておく必要があると考えます。
終戦時に20歳だった方が90歳を迎えつつある今を逃せば、永久にその機会は失われるとの危機感から発足したこのプロジェクトでは、戦後70年を迎える2015年を目処に、下記のことに取り組みます。
ここに、広く慶應義塾関係者や、関心をお寄せ下さる方々にご理解を乞い、趣旨に御賛同くださる方々のご協力をお願い申し上げます。
平成25(2013)年8月
慶應義塾福沢研究センター
「慶應義塾と戦争」アーカイブ・プロジェクト